離婚事件の解決事例

適正な婚姻費用分担額を上回る相手方配偶者のマンション家賃を負担していることを考慮して、双方の分担額を決定した事例

事案の概要

 離婚希望の夫から相談を受けました。
 同居中に妻と離婚協議をしたものの、妻が離婚に応じず、協議が進まなかったので、夫は家を出て、別居を開始していました。当事者同士での話し合いは困難ということで、離婚協議を当事務所に依頼されたく来所されました。
 さらに、別居後、妻から婚姻費用分担調停の申し立てもされているとのことで、そちらの対応も必要な状況でした。

結論

 当事務所は依頼をお受けし、離婚についても調停で進めるべく、離婚調停を申し立てました。

 他方、婚姻費用分担金についても協議を進める必要がありましたが、それが大変悩ましい状況でした。夫は、別居後も妻と子供が住んでいる現マンションの家賃について支払いを継続していたのですが、当該家賃が高額で、夫と妻の年収から算出される適正な婚姻費用分担金額を上回っていました。
 現実的にも夫の経済力では、マンションの家賃に加えて適正な婚姻費用分担金を支払うことは困難でした。

 本件では、妻も働いており、一定の年収がありましたので、妻に対して、現マンションの家賃を自分で負担するか、それが難しい場合はより低額な家賃のマンションに引っ越すことを検討してほしい、そうすれば夫から妻に対して適正な婚姻費用分担金は支払うと伝え、協議を進めました。

 その結果、妻と子供は半年後には現マンションからより低額な家賃のマンションに引っ越すことになりました。
 調停では、それを前提として、半年間は夫が現マンションの家賃負担を継続する代わり、妻は、適正な婚姻費用分担額と現マンション家賃の差額を夫に支払い、妻と子供が現マンションから引っ越した後は、夫から妻に対して適正な婚姻費用分担額を支払うという内容で合意し、成立となりました。

 現状ではまだ多いとまで言えないケースですが、夫婦双方に一定以上の収入がある場合、当然夫婦二人で協力すれば高額な家賃を払うことも可能になるため、本件のように婚姻費用適正額を上回る家賃になることはあり得ます。共働き家庭が増えてきているため今後このようなケースも増えてくると思われます。

 事案や状況によって話し合うべき内容が変わってくるためとても悩ましい状況ですので、少なくとも一度専門家に進め方を相談することをお勧めします。