離婚の方法

協議による離婚

目次

1. 協議離婚とは

協議離婚は、当事者間で話し合いを進め、両者が離婚することに合意したのち、離婚届を提出して、離婚を成立させる方法になります。
この方法をご存じない方はいらっしゃらないと思うのですが、協議離婚をどのように進めるのが良いか、協議離婚を目指す場合の適切な進め方を理解されている方は少ないかと思います。
そこで、本ページでは、当方のお勧めする協議離婚の進め方、重要なポイントなどについてご説明していきます。

2. 離婚成立までの流れ

協議離婚における離婚成立までの流れに関する概略は以下の通りです。以下、それぞれの段階におけるポイントを踏まえて順を追ってご説明していきます。

  1. 取り決める内容につき弁護士に確認

    当事者間での話し合いを始める前に、まずは、弁護士に当事者間で何を取り決めるべきかについて確認することをお勧めします。
    協議に際して取り決めるべき一般的な項目としては①親権・監護権②財産分与③養育費④慰謝料⑤年金分割⑥面会交流などがあります。
    しかし、これはあくまで一般的な内容です。
    実際には、それぞれのご夫婦によって離婚にあたり取り決めておくべき条件は異なります。そのため、当事者間で条件を決めてから相談にいらっしゃっても、追加で取り決めが必要になるなどして、結局、話し合いが長引いたり、こじれてしまうことになりかねません。
    そのようなリスクを回避し、当事者間でより有意義な話し合いを行うために、話し合いを始める前に、一度、弁護士に、自分たち夫婦の場合は何を取り決めるべきかについて確認されることをお勧めする次第です。

  2. 当事者間の協議及び合意

    弁護士よりアドバイスを受けた内容をもとに、当事者間で話し合いをしていただき、離婚条件について合意いただきます。
    この当事者間の話し合いにおけるポイントになるのが記録をとるということです。
    当事者間の話し合いは、どうしても口頭でのやりとりになりがちです。そのため、記録が残らず、一度合意しても簡単に翻意されてしまったり、同じことを繰り返し話し合ったりする結果、混乱し、話し合いが長引く傾向にあります。
    そこで、当事者間で話し合いを行う際には、できる限り話し合いの経緯を記録につけておくことをお勧めします。
    具体的には、

    • メールでやりとりをする
    • 口頭でのやり取りを録音する

    といった方法が行いやすいかと思います。
    このように記録につけておくことで、互いに、話し合いの進捗が整理できますので、話し合い自体がスムーズに進みやすくなるというメリットがあります。
    仮に、残念ながら、話し合いによって合意に至らず、その後、弁護士に依頼することになったり、ご自身で裁判手続きを利用することになったりした際にも、話し合いの経緯を第三者に容易に説明できますし、場合によっては、その記録から、一定の合意を認定してもらえる可能性もあります。
    結果、仮に当事者間の話し合いが合意に至らず、実を結ばなかったとしてもその話し合いが無駄にならずに済むことになります。
    当事者間で話し合いをされる際には、方法等を工夫することによって、記録を付けていくということを意識してみていただけるとよいかと思います。

  3. 書面(離婚協議書・公正証書など)の作成

    当事者間の話し合いの結果、離婚条件について合意に至った際には、離婚届を提出する前に、弁護士に依頼して離婚条件をまとめた書面を作成することをお勧めいたします。

    1. 書面の必要性
      合意内容について書面が一切ない状態ですと、後に確認ができないことも影響し、そんなつもりはなかったなどという事態になってしまい、結局合意した内容が履行されないということが起こりやすいです。
      特に、養育費の支払いや面会交流など離婚後も長期間継続する事柄について取り決めがなされているときには、書面の作成は必須とお考え下さい。
      せっかく離婚が成立しても、紛争が続いてしまう結果になっては話し合ってきた意味がありません。後の紛争を防ぐという意味で書面は大変重要になります。

    2. 作成時期
      通常は、離婚届提出前に書面を作成していただくのが良いと思います。
      離婚届提出により、「離婚したい」という目的が達成されてしまうと、書面作成等の面倒な作業に協力する気を失ってしまう方も多いです。
      そのため出来る限り、届け出前に話し合いを完了し、書面を作成しておくことをお勧めします。

    3. 書面の作成方法・種類
      協議離婚をするにあたって、「離婚協議書」もしくは「公正証書」を弁護士に依頼して作成することをお勧めします。本HPの「離婚協議書・公正証書を作成したい」に詳細な説明を掲載しておりますのでそちらをご覧ください。

  4. 離婚届提出

    協議離婚においては、離婚届を役所に提出することで正式に離婚成立となります。いかに当事者の間で離婚に合意して離婚協議書や公正証書を作成したとしてもその時点で離婚成立とはなりません。
    そのため、協議離婚においては、離婚届提出が非常に重要であり、最後のこの段階でトラブルが発生してしまう場合もありますので、トラブル回避のために気を付けていただきたいことをご説明します。

    1. 離婚届の準備
      離婚届のご準備は、必要事項の記載・確認を含め早めに行っていただくことをお勧めします。
      理想の流れとしては、協議離婚もしくは公正証書の作成(取り交わし)と同時に、記入済みの離婚届を、提出を任せる配偶者に預けるというものです。書面取り交わしの前に預けてしまいますと、条件が整う前に提出されるというリスクがありますが、他方で、離婚について合意して書面も作成したのに、離婚届への記入や提出の協力が得られないというトラブルもございます。
      また、忘れがちなのが証人の問題です。離婚届には証人2名の署名が必要なのですが、いざ提出となったときに証人として適切な人がおらず、提出が遅れてしまうというトラブルも発生します。こちらもあらかじめ離婚届の準備を進めておけば、早めに気づき避けられるトラブルかと思います。

    2. 妻による提出
      可能であれば、離婚届の提出は妻に任せることをお勧めします。
      必要事項が全て記入されていれば、夫でも妻でも一人で提出することが可能なのですが、離婚届提出の際に、戸籍に関して確認事項が諸々発生することが多く、夫が一人で提出に行くと、その場で役所の職員からの質問に答えられず、結局提出できないという事態が発生することがあるためです。

3. 協議による離婚という手段のメリット・デメリット

  1. メリット

    1. 簡易・簡便
      相手方との都合さえ合えば、場所と手段を選ばずに話し合いを進められるため他の手段に比べて制約が少なく、比較的簡便に進められます。

    2. わだかまりが残りにくい
      お互いに可能な話し合いを行った上で、納得した結果、離婚成立となりますので、他の手段に比して、気持ちの面でわだかまりが残りにくいという面があります。

  2. デメリット

    1. 相手方との接触
      代理人を入れずに本人同士で行う場合、離婚したい相手と直接接触を続けながら話し合いを行う必要があるため、精神的な負担は増加する傾向にあります。

    2. 強制力がない
      相手方との協議は相手方に話し合う気持ちがある場合にはじめて成立します。逆に言えば話し合いに応じさせるような強制力はないため、話し合う気持ちのない配偶者を相手に無理に話し合いを続けようとしても無駄に時間が経過するのみとなります。

    3. 法的手段がとれない
      仮に離婚協議書のみを作成して、離婚成立となった場合、取り決めた事項が順守されなかった際に、即時に強制執行等の法的手段をとることができません。

4. 弁護士への相談・依頼

離婚協議は当事者同士の話し合いで進めるものというイメージを持っておられる方、弁護士を入れると相手方の感情を害して話し合いがスムーズに進まなくなると思っておられる方もまだまだ多いと思います。
実際に協議離婚に関しては、ご本人同士で行えますし、当事者間で話し合いを重ね、お互いに納得の上で解決に至るのであれば、後に感情的なしこりを残す可能性も低いため、それに越したことはないというのも間違いのないところかと存じます。

しかし、協議を当事者同士で進める方がよいか否かは事情によりけりです。ご相談をお聞きすると、早期に弁護士を入れていればここまで話し合いはこじれていなかった、早期に離婚できていたのではと思われる事案も多々ございます。
当事者同士だからこそ感情の対立が生まれ、話し合いがこじれてしまうケースは珍しくありません。その結果、協議離婚により早期に解決できるチャンスを逃してしまうということになります。

そのため、当方では、可能であれば話し合いを始める前、話し合いが滞っていると感じたら早期に弁護士に相談することをお勧めします。当方では、離婚協議段階からご依頼をお受けすることも非常に多いため、経験から、弁護士を入れた方がよいかどうか、入れないのであれば今後どう進めるべきか、入れるとしてどのタイミングで入れるべきかなど、個別の事案に応じて柔軟にアドバイス差し上げることができます。

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