コラム

養育費 裁判例 婚姻費用分担金

生活保護について収入認定とされないとした裁判例

弁護士 幡野真弥

 養育費や婚姻費用の算定にあたっては、夫婦それぞれの収入を認定する必要があります。

 しかし、最低限度の生活を保障する生活保護費は、収入として認定されません。

 名古屋高裁平成3年12月15日決定(家月44・11・78)は、「生活保護法による生活保護は、国が生活に困窮する国民に対し困窮の程度に応じ必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長する目的で行われるものであり、原則として世帯を単位として行うとともに、民法に定める扶養義務者の扶養等に劣後して行われるものとされているのであるから、民法に定める婚姻費用分担義務を考慮するにあたり、生活保護法による生活保護の受給を抗告人の収入と同視することはできず、原審は、まず、この点において法律解釈を誤ったものというべきである。」と判断し、生活保護費は収入と同視することはできないと判断しました。