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養育費

養育費はいらないと言ってしまったけど、法定養育費は請求できる?

弁護士 長島功

 当事者間で養育費を請求しないという合意がなされるケースがあります。例えば、とにかく離婚を早期に成立させたい、親権で揉めたくない、財産分与を多めにもらうから等の事情でそうした合意がなされることがあります。

 では、こうした養育費不請求の合意がある場合でも、改正で導入された法定養育費は請求できるのでしょうか。
 法定養育費は、あくまで「子の監護に要する費用の分担についての定めをすることなく」協議離婚をした場合(民法766条の3第1項)に請求できるとされているため、養育費の合意がなされている場合には請求できません。この養育費の合意には、養育費を請求しないという合意も含まれます。
 したがって、具体的な事実関係にもよりますが、当事者間の合意が養育費不請求の合意と評価されると、法定養育費は請求できないことになります。

 ただし、法定養育費の請求ができない場合でも、本来の養育費についてまで当然に請求できなくなるわけではありません。
 養育費不請求の合意については、子の扶養請求権の放棄はできないとされているため(民法881条)、扶養義務者間の扶養義務に関する合意とみるべきとされており、これ自体は有効とされています。もっとも、当初から合意内容が不当で子の監護に支障が生じているような場合は、その変更を求めることができるとされています(民法766条3項)。また、事情変更があれば新たに請求することも可能とされていますので、仮に不請求の合意がなされたとしても、一定の場合には本来の養育費を請求することは可能です。