コラム

親権

離婚後に親権者が死亡した場合、子の親権者は誰になるか

弁護士 幡野真弥

 離婚する夫婦の間に未成年者がいる場合は、未成年者の親権者を定める必要があります。
 離婚後、親権者となった父または母が死亡した場合、未成年者の親権者は誰になるのでしょうか。

 実務的には、生存している父または母が当然に親権者となるのではありません。
 祖父母など、死亡した親権者に代わって未成年者を監護する人が、未成年後見人選任の審判を家庭裁判所に申し立てるケースが多いです。家庭裁判所は、諸事情を考慮し、未成年者の後見人を選任します。
 親権者が遺言を作成しておき、未成年後見人を指定しておくこともできます。

 離婚して親権者とならなかった他方の父または母も、親権者の死亡後に、親権者を定める審判を家庭裁判所に申し立てることができます。上記の未成年後見人選任の申立と、親権者を定める審判の申立が重なった場合は、家庭裁判所は、未成年者の福祉の観点から、未成年者の監護を担わせるには誰が適任なのかを審理して判断します。