コラム

婚姻費用分担金

婚姻費用分担請求について⑭~婚姻費用分担額決定までの流れ(4)~

弁護士 小島梓

 前回のコラムにて、婚姻費用分担金請求にあたり、まずは、ご自身で相手方配偶者に請求をしてみる、それでもスムーズに支払いが行われない場合には、早急に次のステップに進む必要があるため、弁護士に相談することをお勧めする旨ご説明しました。
 今回は、弁護士への相談の必要性やメリットなどについてご説明します。

 「婚姻費用分担請求について③~婚姻費用分担の始期~」で詳細をご説明しましたが、裁判手続きをとったときに、婚姻費用の発生が認められるのは、原則として内容証明郵便にて相手方に請求した時か婚姻費用分担調停を申し立てたときになります。
 すなわち、本人同士で話し合いをしても、スムーズに支払いが開始されなかった場合には、基本的に、内容証明郵便にて請求か調停申し立てるかということを考え始める必要があります。それを考慮せずに、だらだらと本人同士のやり取りを続けますと、最終的にもらえない期間が増えてしまう可能性が高いためです。

 当事務所の経験上、弁護士に相談せずにご本人対応を続けますと、話し合いを切り上げるタイミングが見極められなかったり、婚姻費用発生時期の問題意識がなかったりするため、後から見たら無駄と思われる話し合いを続けてしまっている方が珍しくありません。

 当事務所では、支払いが開始されないという理由でご相談にいらっしゃった方については、状況をお伺いして、費用対効果も考慮の上、すぐに弁護士への依頼、内容証明郵便発送(もしくは調停申立て)をお勧めするケースもあれば、話し合いの仕方をアドバイスして、ご本人同士での話し合いをもう少し続けることをお勧めするケースもあります。このあたりは、個別の事情に応じて、お客様に一番利益になる方法をお勧めするようにしています。

 通常の法律事務所では、基本的にお客様の費用対効果を考えますので、ご相談=依頼のお勧めにはなりません。ご本人での対応方法のアドバイスにとどめることも珍しくありません。

 重要なことは、本人同士の話し合いを続けることに意味があるのか否かを見極め、意味がないなら、弁護士への依頼を検討し、意味がありそうなら、今しばらく続けてみるという判断を早いうちに行うということになると思います。
 以上のような理由から、当事務所では、スムーズに支払いが開始されない場合には早めに一度、弁護士に相談することをお勧めしている次第です。