コラム

婚姻費用分担金

婚姻費用分担請求について⑪~婚姻費用分担額決定までの流れ(1)~

弁護士 小島梓

 当事務所は、婚姻費用分担額の取り決めをするためのお勧めの方法、順序としては、以下のように考えています。①別居前に弁護士に相談
②別居後に本人もしくは弁護士から相手方に対して婚姻費用分担額の請求
③婚姻費用分担額に関する協議
④婚姻費用分担額の調停(審判)

 今回から上記の順にしたがって、それぞれの段階のポイントや切り替えのタイミングなどご説明していきたいと思います。

 まずは、「①別居前に弁護士に相談」に関してです。上記のとおり、当方では別居前に婚姻費用分担額に関して弁護士に相談することをお勧めしていますが、それに関連して、お客様に婚姻費用分担額を検討いただきたいタイミングやご自身で検討していただきたいことなどご紹介します。

ア 婚姻費用分担額を検討するタイミング
 婚姻費用分担金がいくらになりそうかということは、離婚の準備などのために別居しようかどうしようかと悩まれているとき、すなわち別居をする前に一度考えていただきたいです。
 そして、当事務所では、このタイミングで一度、仮に別居した場合にどの程度の婚姻費用がもらえる可能性があるのかといったこと含め、別居後の生活設計について弁護士に相談することをお勧めします。

イ ご自身で検討いただきたいこと
 別居するとなった場合、別居後の生活費は大変重要な問題です。
 別居後に当事務所に相談に来られ、はじめて婚姻費用分担金額の計算方法を知り、生活が成り立たないことに気づくというお客様もいらっしゃいます。特に、同居中に夫の給与全額の管理を妻が任されていたりする場合には、婚姻費用額と同居中に使用できていた生活費との差額に驚かれる方が少なくありません。

 そこで、当方では、特に妻が子供を連れて自宅を出る場合などには、少なくとも別居前に、
〇別居後に妻自身の収入がどの程度になりそうか。
〇夫からもらえる婚姻費用分担額がどの程度になりそうか。
〇子供の学費など教育関係の費用はいくらくらいかかりそうか。
といったあたりを確認し、そこから逆算した場合、家賃いくら程度のところであれば借りられるか、逆に難しい場合には実家に戻って生活することは可能かということを検討いただくべきと考えています。

 次回は、このように、別居前にご自身で検討いただきつつ、弁護士に相談にしていただきたい理由などご説明します。