コラム

婚姻費用分担金 住宅ローン

婚姻費用と住宅ローン

弁護士 幡野真弥

 婚姻費用を取り決めるにあたって、夫婦の一方が、他方が居住する自宅の住宅ローンの支払いをしている場合は、毎月のローンの支払いを、婚姻費用の分担額にどのように反映させるかが問題になります。
 東京家裁平成27年月17日審判は、夫が自宅を出て、妻及び子らと別居し、賃貸物件で居住しつつ、妻及び子らが居住する自宅の住宅ローンの支払いをしていた事例です。
 この事例では、裁判所は、夫が住居費を二重に支払っていることとなるため、妻の収入(200万)に照らした住居費相当額(2万7940円)を、毎月の婚姻費用の分担金の標準額から控除することとしました。
 
 住宅ローンの考慮方法としては、他に、住宅ローン支払額の何割かを義務者の総収入から控除する方法などがあります。