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離婚後の不動産からの退去、共有物の分割

弁護士 幡野真弥

 離婚に際して、夫婦が暮らしていたマンションや一軒家を、どう処分するのか(売却するのか、夫婦のどちらかが住み続けるのか、ローンの支払や名義をどうするのか)という点については、財産分与や和解条件の中で話し合われ、解決を目指す事が多いです。
 しかし、和解が成立しない場合などは、離婚後も不動産に関連する問題が残ってしまうことがあります。

 例えば、元夫婦の一方のみがローンを負担し、名義も元夫婦の一方のみである不動産に、離婚後も他方の配偶者が居住を続けて退去ができないケースや、不動産の名義は、離婚した元夫婦の共有名義になっているものの、元夫婦の一方だけが居住を続けているようなケースです。

 一方のみがローンを負担し、名義も一方のみである不動産に他方が居住を続けて退去しない、というケースでは、所有権に基づき、建物を明け渡すように請求することができ、これを認めた裁判例は多数存在します。

 不動産の名義が夫婦の共有になっているケースでは、共有物分割請求をすることができます。
 分割方法には、この場合、不動産を第三者に売却し、その代金を分ける方法や、不動産をどちらかの単独名義として、その代価を他方の共有者に支払う方法があります。こちらについても、認めた裁判例は多数存在します。