コラム

財産分与 裁判例

財産分与と譲渡所得税

弁護士 幡野真弥

 財産分与に伴い、不動産を譲渡するということがよくあります。
 このとき、財産分与する側(不動産を譲渡する側)は、譲渡所得税が発生することがありますので、注意が必要です。
 譲渡所得税が発生することを認識せずに、財産分与を行った場合、財産分与が錯誤無効になる可能性がありますし、あるいは、高額な税金が課税されことにもなります。
 最高裁平成元年9月14日判決は、離婚後、譲渡所得税2億円がかかることを知った元夫が、財産分与の錯誤無効を主張した事件です。最高裁は、控訴審に差し戻し、差戻審(東京高判平成3年3月14日)は、錯誤無効を認めました。
 譲渡所得税が発生する可能性がある場合は、必ず税理士に相談する必要があります。